フレキシブル基板(FPC)には、大きく分けてFPC2層材を用いたものと、FPC3層材を用いたものがあります。このページでは、フレキシブル基板(FPC)のFPC2層材・3層材について、それぞれの特徴や違い、メリット・デメリットについて解説します。
フレキシブル基板(FPC)の銅張積層板は、基板の基礎となる材料で「ベースフィルム」と「銅箔」からできています。ベースフィルムと銅箔を貼り合わせるなどして一体化させたものが銅張積層板です。
フレキシブル基板(FPC)は柔軟性があり、薄いのが特徴です。この特徴を実現するため、基礎となる銅張積層板にも同じ特徴が求められます。ベースフィルムの材質にはポリイミドが多く使用されており、PETや液晶ポリマーが使用されることもあります。
対応力のあるオススメフレキシブル
基板(FPC)メーカー
3選をチェック!
FPC2層材と3層材は、先に説明した銅張積層板のベースフィルムと銅箔を一体化する方法が異なります。FPC3層材はベースフィルムと銅箔を一体化させる際に接着剤を使用します。ベースフィルム・銅箔・接着剤の3種の材料から構成されているのが名前の由来です。
対してFPC2層材は、ベースフィルムと銅箔を一体化させるのに接着剤を使用しません。一体化させる方法には「キャスト法」「ラミネート法」「メタライズ法」の3つの方法があります。
キャスト法は、銅箔の上に金属との接着性があるポリイミド樹脂剤を薄く塗布し、高温熱処理して熱硬化させ仕上げる方法です。
ラミネート法は、ポリイミドフィルムの上にポリイミド樹脂剤を薄く塗布し、銅箔をのせ、高温・高圧でプレスして仕上げる方法です。
ポリイミドフィルム上にシード層と呼ばれる導電性をもつ膜を形成し、その上に電解めきで銅層を形成する方法です。シード層の形成には、スパッタリング(蒸着)や無電解めっきが用いられます。
銅とポリイミド2種の材料だけで作られるFPC2層材は、FPC3層材と比較すると薄く柔軟性があるため、屈曲性や寸法の安定性に優れています。FPC3層材に使用される接着剤に比べてポリイミド樹脂剤は耐熱性が高いので、FPC2層材も耐熱性に優れています。しかし、FPC3層材に比べるとコストが高いというデメリットがあります。
FPC3層材は、FPC2層材と比較してコストパフォーマンスは優れているのですが、接着剤を使用している分、厚みがあり柔軟性・耐熱性に劣るというデメリットがあります。屈曲性や寸法の安定性も2層材の方が優れています。
FPC2層材・3層材はそれぞれの特性を活かし、特殊な仕様が求められる場合はFPC2層材を、特殊な仕様を必要とせず、安価に仕上げたい場合は3層材を使用するのが一般的です。それぞれにメリット・デメリットがあるため、材質を選択する際は参考にしてください。
設計から依頼できることでコストもかかる工数も変わってきます。それぞれ得意領域を持つFPC製造メーカー3社をご紹介します。
引用元:三陽公式サイト(http://www.wsanyo.jp/)
引用元:サーテック公式サイト(https://cir-tech.co.jp/)
引用元:山一電機公式サイト(https://www.yamaichi.co.jp/)