フレキシブル基板(FPC)の導体部は銅でできており、製造には銅箔が使われています。このページではフレキシブル基板(FPC)の圧延銅箔、電解銅箔などのFPC銅箔について解説します。
フレキシブル基板(FPC)用の板材は、銅箔とポリイミドフィルムや液晶ポリマーなどの基材を貼り合わせた構造となっています。フレキシブル基板(FPC)は繰り返し屈曲させたり曲げたまま使用したりするため、柔軟性と薄さが必要です。そこで薄膜状で柔軟性をもつ、銅箔が使用されているのです。
銅の塊を圧延ロールで薄く伸ばし、これをさらに圧延ロールで繰り返し薄く伸ばしていくことで希望の厚さの圧延銅箔を製造します。薄く伸ばしただけでは硬いので、焼きなまし(アニーリング)という熱処理を行って柔軟性を付与。さらに、フレキシブル基板(FPC)用の板材によって密着するように表面に特殊な処理を施しています。
薄い圧延銅箔を作るには圧延ロールで薄く伸ばしていく工程を何度も繰り返すことになり、その分コストは高くなります。フレキシブル基板(FPC)用では1オンス箔(35µm厚)、2分の1オンス箔(17.5µm厚)、3分の1オンス箔(12µm厚)の圧延銅箔を使用するのが一般的です。圧延銅箔は電解銅箔と比較して柔軟性に優れておりフレキシブル基板(FPC)の銅箔としておもに使用されています。
電気分解により陰極に析出した銅をシート状に加工したものが電解銅箔です。従来、電解銅箔は薄く曲げに弱いのでほとんど使用されておらず、圧延銅箔がおもに使用されていました。しかし近年はフレキシブル基板用の電解銅箔も製品化されています。
フレキシブル基板用の電解銅箔は、熱処理などにより圧延銅箔に準ずる柔軟性を持たせ、折り曲げに強い性質を付与しているのです。厚さは、圧延銅箔と同じ1オンス箔(35µm厚)、2分の1オンス箔(17.5µm厚)、3分の1オンス箔(12µm厚)が多く用いられています。電解銅箔は圧延銅箔よりも安価で製造できるのがメリットです。
近年は回路の微細化(ファイン化)が進み、フレキシブル基板(FPC)製造において、より薄い銅箔が求められるようになってきています。しかし、圧延銅箔でも電解銅箔でも10µm以下の厚さになると、取り扱いが難しくなってしまいます。そこで、薄い銅箔が必要な場合に用いられるのがめっき銅箔です。
基材に直接銅めっきを施して薄膜のめっき銅箔層を形成します。導電性をもつシード層を無電解めっきやスパッタリングで形成し、その上に電解めっきを施しめっき銅箔層を得ます。フレキシブル基板(FPC)製造のセミアディティブ法やFPC2層材を作る際のメタライズ法で用いられます。
銅箔はフレキシブル基板(FPC)において、導体部を形成する重要な材料です。銅箔には圧延銅箔・電解銅箔・めっき銅箔の3種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。特性を知り、材料選びに役立てましょう。
設計から依頼できることでコストもかかる工数も変わってきます。それぞれ得意領域を持つFPC製造メーカー3社をご紹介します。
引用元:三陽公式サイト(http://www.wsanyo.jp/)
引用元:サーテック公式サイト(https://cir-tech.co.jp/)
引用元:山一電機公式サイト(https://www.yamaichi.co.jp/)