フレキシブル基板(FPC)が性能を損なうことなく正しく動作するために回路を保護する役割をもつカバーレイ。このページではフレキシブル基板(FPC)のカバーレイについて解説します。
カバーレイとはフレキシブル基板(FPC)の回路を保護するための表面用保護フィルム・インクです。リジッド基板では基板の回路を保護するためにソルダーマスク(ソルダーレジスト)を使用していますが、柔軟性に欠けるのでフレキシブル基板(FPC)には使用できません(一部の特殊品は除く)。
このため、フレキシブル基板(FPC)では柔軟性に優れたカバーレイを使用しているのです。カバーレイは回路を保護するとともに、フレキシブル基板(FPC)そのものを補強する役割も持っています。また、使用する際はフレキシブル基板(FPC)と一体化させるだけでなく、回路の電気的接続を確保するため微細な穴をあける必要があります。
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フィルムタイプのカバーレイは、絶縁フィルム、接着剤、貼りつきを防ぐ離型シートからなります。接着剤は半硬化状態なので、化学反応が進んでしまうのを防ぐために冷蔵保管するといった使用期限の管理が必要です。
フィルムタイムのカバーレイは柔軟性や耐久性・耐熱性に優れます。ハードデイスクドライブの回路など繰り返し屈曲させる用途でよく採用されており、絶縁フィルムにポリイミドを使用したものなどが製品化されています。
この他にPETを使用したものやその他の複合材料などを使用したものがあります。フィルムタイプは機械的特性に優れているのがメリットですが、微細な穴あけには技術力や設備が必要で、工程の自動化が難しく、コストが高くなってしまうというデメリットがあります。
印刷タイプのカバーレイは、耐食性や耐熱性のあるエポキシ樹脂やウレタン樹脂系の保護材料を回路の上にスクリーン印刷して使用します。工程が単純で、材料も安価なので、単価の低いフレキシブル基板(FPC)によく採用されています。印刷タイプのカバーレイは、コストパフォーマンスがよいというメリットがあります。
しかし、生産性や耐久性に劣るのがデメリットです。熱硬化するタイプの印刷カバーレイは硬化するのに時間を要します。紫外線硬化するタイプは耐久性に難点があります。
感光性タイプのカバーレイは、感光材を保護シートとキャリアシートで挟んだフィルムタイプとソルダーレジストのような液状のタイプがあります。フィルムタイプはラミネート後、フォトリソグラフィにより微細な穴が形成されます。液状タイプはスクリーン印刷、もしくはコーティング装置で塗布後、フォトリソグラフィによって穴あけを行います。
感光性タイプのカバーレイはより微細な穴あけが可能というメリットがありますが、耐久性など機械的な特性はポリイミドフィルムカバーレイに劣ります。また、コスト面では印刷タイプよりも高コストになります。
カバーレイにはフィルムタイプ(ポリイミドフィルムカバーレイ)・印刷タイプ・感光性タイプの3種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。特徴を理解し、材料や製造業者を選ぶことをおすすめします。
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引用元:三陽公式サイト(http://www.wsanyo.jp/)
引用元:サーテック公式サイト(https://cir-tech.co.jp/)
引用元:山一電機公式サイト(https://www.yamaichi.co.jp/)